関西本線と石焼き芋
〈京都からの鈍行帰京旅 その2〉
木津から1駅で加茂に着き、となりのホームで待っていた亀山行きの列車に乗り換えた。関西本線の亀山~加茂間は、「本線」と名が付くにもかかわらず電化されておらず、1両か2両のディーゼルカーが山間を走っている。いわゆる「ローカル線」という言い方が相応しい区間だ。このローカル線という言葉が使われるときは、「のんびり」とか「ゆったり」とか、遅めの形容詞を伴うことが多い。関西本線を走るキハ120という気動車はこぢんまりとしていて、格好いいというよりはかわいい姿をしている。まさに「のんびり」走るのがよく似合う車両だ。
しかし実際に乗った印象は、かわいい見た目して結構飛ばすんだな、というものだった。一番前の運転席横には既に先客があったので、一番後ろで過ぎてゆく車窓を眺めていたが、山の木々が見る見る遠くへ去って行く。もちろんカーブに差し掛かればスピードは遅くなるが、長めの直線がくればここぞとばかりにかっ飛ばす。
あんまりスピードを出しそうにないイメージのものが結構な速さで駆け抜けていく様子を、以前にもどこかで感じたことがあるような気がしたのだが、乗っているときにはそれがなんだか思い出せなかった。
が、あとになって思い出した。焼き芋である。
幼稚園生か小学校に上がるくらいの頃、たしか友達家族と出かけていたときのこと。石焼き芋の屋台の軽トラが近づいてくる音がした。
石~焼き~芋~ おいも~
しかし、なんだか様子がおかしい。遠くに聞こえていたはずの音があっという間に近づいてくるのだ。ふっくらとして香ばしい、石焼き芋はいかがですか?
つぎの瞬間、
石~焼き~イモオオオン
まさかのドップラー効果。軽トラは前の道を一瞬にして横切った。買わせる気、ないやろ。
そんなドップラー焼き芋を思い出させた関西本線であった。
(つづく)
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| 関西本線 車内にて |
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